みなさんは「ミッシェル・ムートン」という女性をご存知ですか?
彼女は1980年代初頭の世界ラリー選手権(通称:WRC/World Rally Championship)にアウディのワークスドライバーに抜擢され活躍した女性ドライバーです。
1981年アウディが満を持して投入したアウディ・クワトロは、けっして運転しやすい車ではなく男性ドライバーでも手こずるじゃじゃ馬。それを彼女は男性顔負けのドライビングで第10戦ラリー・サンレモで堂々の総合優勝を勝ち取りました。女性ドライバーがWRCで総合優勝したのはこれが初であり、その後も記録されていません。
翌年82年にはシリーズ3勝を上げ、ドライバーズランキング2位を記録!! モータースポーツ界では「史上最も成功した女性ドライバー」と言われています。
彼女は1986年まで現役を続け、その後は世界の一流ドライバーを集めて色々な車で腕を競わせる「レース・オブ・チャンピオンズ」のオーガナイザーを勤め(ミハエル・シューマッハも何度か参戦しました)、現在はFIA(世界自動車連盟)の女性初の役員として「ウーマン&モータースポーツコミッション」の議長として活躍されています。
現在では女性も数多くのスポーツで活躍し話題になりますが、今から30年前に世界で活躍していた「ミッシェル・ムートン」は女性アスリートの先駆者と言えるでしょう。